「妊娠中はひじきは控えたほうがいい」
ということを耳にしたことはありませんか?
また、
「栄養や鉄分が豊富だから妊娠中はひじきを食べるといいよ」
ということを聞いたことがある人もいると思います。
これって、どちらも正解なんですよ!
では、どういう理由でそんなことを言われるのか、また妊娠中にひじきを食べるメリットとリスクについて詳しく調べてみました。
この記事を読めば、妊婦さんがひじきをどのくらい食べるのが最適なのか分かりますよ!!
妊婦がひじきを食べてはいけないと言われる理由
妊婦はひじきを食べないほうが良いと言われることがあります。
でも、それはどうしてだと思いますか?栄養満点なイメージがあると思うのですが、妊娠中はなぜひじきを控えたほうが良いのか調べてみました。
妊婦がひきじを食べてはいけない理由1:ヒ素
ひじきだけでなく、海藻類には「ヒ素」という成分が含まれています。
このヒ素というのは、猛毒の一種なので妊娠中に食べると赤ちゃんが奇形や発育不全、脳障害などを引き起こしかねないと言われています。
また、イギリスでは「ひじきには発がんのリスクがあるヒ素が含まれているため、食べないほうが良い」と国民に呼びかけたため、問題視されるようになったんです。
そして、ヒ素には2種類あり、「有機ヒ素」と「無機ヒ素」があり、毒性があり危険とされているのは「無機ヒ素」なんです。
そしてそして、ひじきが問題視される理由としては、ひじきには「無機ヒ素」が含まれているから。ということなんです。
しかーし!!
日本での調査では、ひじきを食べることによる健康被害は報告されていません。
確かに無機ヒ素が含まれていることで心配にはなりますが、基本的にひじきというのは水に戻したり、茹でたりしてから食べます。
その調理の過程でヒ素は溶け出すので、実際食べるときにはかなりの量のヒ素が軽減されているということと、毎日大量に食べるものではなく、平均的に1週間に小鉢3杯程度のひじきを食べると考えると、健康に影響が及ぶリスクは低いとされています。
妊婦がひきじを食べてはいけない理由2:ヨウ素(ヨード)
ひじきのような海藻類には「ヨウ素」という成分も含まれています。
ヨウ素に関しては、過剰に摂取しすぎると赤ちゃんの甲状腺機能が低下する恐れがあると言われています。
しかし、1日に摂っても良いとされるヨウ素の量は3000μgとされています。
茹でたひじき100gのヨウ素の含有量は約0.96mgのため、とんでもない量のひじきを食べないとヨウ素の摂りすぎにはならないので、さほど心配する必要はなさそうですね。
妊婦がひじきを食べ過ぎると起こりうるリスクとは?
妊娠中にひじきを食べ過ぎると、どんな影響が出てくるのでしょうか。
先ほども少し記述していますが、1番悪影響を及ぼす可能性がある成分は「ヒ素」ではないかと思います。
このヒ素を摂りすぎると、ヒ素中毒になり嘔吐や下痢、けいれんがみられることもあります。
また、慢性的になると全身の皮膚に色素沈着がでてきたり、末端神経障害として手足の先がしびれたりという症状が出ることもあります。
もちろん、胎盤を通じて赤ちゃんにも影響が出てくる可能性があるため、ヒ素を過剰に摂取してしまうと、赤ちゃんが奇形や発育不全、脳障害などを引き起こす可能性も出てきます。
これを読むと、妊娠中にひじきは食べたくないんですけど!!!
そうです。
私も調べていて、「ひじきは控えようかな…」とちょっと思ってしまいましたし、そんな妊婦さんも多いはず。
ですが、ここで妊娠中にひじきを食べても問題ない理由もちゃんと説明しておきます!!
厚生労働省によると、ひじきに含まれるヒ素の量から考えると、1日あたり4.7g以上を食べ続けない限り、健康に悪影響を与えることはありません。と言われています。
約5kgのひじきを食べ続けるってかなりの量ですよね。
そのため、普通に食卓でひじきを食べる分にはまったく問題ないとされています。
実際に、海藻類を食べてヒ素中毒になったという報告はありませんし、きちんと水戻しをするか茹でるなどの調理を行って、過剰に食べ過ぎなければ、そこまで怖がる必要はありません。
では次に、ひじきが食べたくなるような、ひじきに含まれる栄養についてみていきたいと思います。
妊娠中には必要な栄養素がたくさん含まれているので、是非チェックしてくださいね!
妊婦にとってひじきは栄養満点の食べ物なの?
今までの内容を確認すると、「ひじきって怖い食べ物」という印象がついてしまったかもしれませんが、その反面とっても栄養が豊富な食べ物でもあるんです!
特に、妊娠中にはきちんと摂っておきたい栄養素がたくさん含まれているんですよ!
妊婦にとって嬉しいひじきの栄養1:鉄分
ひじきには豊富に鉄分が含まれています。
妊婦教室などへ行くと、妊娠中にひじきを食べたほうが良いと言われる理由の多くは、この豊富な鉄分にあると思われます。
妊娠中は血液が通常よりも多く必要になり、赤ちゃんに優先的に送られるため、ママは貧血になりがちです。
また、貧血は産後の鬱を引き起こしかねないため、妊娠中に貧血にならないように、また貧血気味になってしまったら、確実に治しておきたい症状のひとつなんです!
貧血防止には、とっても強い味方になってくれそうです!
妊婦にとって嬉しいひじきの栄養2:カリウム
乾燥ひじきにはかなり多くのカリウムが含まれているのですが、茹でることによって減ってしまう栄養素です。
乾燥ひじきには100gあたり6,400mgも含まれるカリウムですが、茹でると約160mgまで減ってしまいます。
しかし、決して少ないわけではありませんので、嬉しい栄養であることは間違いありません!
カリウムは、むくみの解消だけでなく、高血圧の予防にも効果が期待できるので、妊娠中にはなるべく摂っておきたい栄養素になります。
妊娠後期になってくると、どんどんむくみが気になってくる人も多いと思うので、カリウムは大事な栄養素になります!
妊娠中のむくみが気になる方は、以下の記事もチェックしてみてくださいね!
妊婦にとって嬉しいひじきの栄養3:カルシウム
ひじきには、100g当たり1,400㎎ものカルシウムが含まれています。
これってすごい量なんですよ。
カルシウムが多く含まれていると思われるチーズよりも約2倍、ヨーグルトの約10倍、牛乳の約12倍も含まれていることになります!
妊娠中は赤ちゃんに栄養が送られるので、ママはカルシウム不足になりがちです。
また、カルシウムは赤ちゃんの骨や歯を作るための大事な栄養素になりますので、妊婦さんは積極的に摂りたい栄養素のひとつになります。
妊婦にとって嬉しいひじきの栄養4:マグネシウム
実は、カルシウムを上手に摂取するために欠かせない栄養素が「マグネシウム」なんです。
カルシウム2に対して、マグネシウム1の割合で摂ることが理想とされていますが、ひじきにはその栄養素がバランスよく含まれています!
マグネシウムが不足してしまうことで、吐き気・脱力感・眠気・ふるえ・食欲不振などを引き起こす可能性もありますので、是非積極的に摂っておきたい栄養素ですよね。
妊婦にとって嬉しいひじきの栄養5:食物繊維
ひじきには食物繊維も多く含まれていますが、食物繊維はコレステロールの代謝を促進するだけでなく、便通も良くしてくれます。
妊娠中ってどうしても便秘になってしまうんですよね…。
あまり下剤などを飲む気にもなれないし、できれば自然に排出されるのを待ちたい…という妊婦さんにとって、食物繊維を摂ることはとても大事になります!
便秘で悩んでいる人は、ひじきを食べるのもひとつの方法かもしれませんね!
また、便秘に効果が期待できる食べ物は他にもあります!便秘で悩んでいる人は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
妊婦食べても良いひじきの量とは?
ここまで、ひじきのメリットとデメリットを見てきましたが、結局のところ適度な量であれば妊娠中にも積極的に食べておきたい食べ物だ!ということは分かっていただけたと思います。
でも、具体的にどのくらいの量を食べてもOKなの?という疑問も出てくるはず。
妊婦さんに対するひじきの摂取に関して上限量というのは発表されていませんが、厚生労働省によると、ひじきに含まれるヒ素の量から考えて、1日あたり4.7g以上を食べ続けない限り、健康に悪影響を与えることはありません。と言われています。
豊富に含まれる栄養素から考えても、小鉢に1杯程度のひじきを食べる分には、なんら問題ないと言えます。
もちろん、ひじきを食べるときはヒ素の含有量を減らすという目的のためにも、水戻し処理(茹で処理)をきちんと行ってくださいね。(乾燥したまま食べる人は少ないと思いますが…)
妊娠中にひじきを食べること まとめ
ひじきに関しては、妊娠中は「食べたほうがいい」という人と、「食べないほうがいい」という意見に分かれてしまうので、結局のところどっちが正しいの?!と困惑してしまいますよね。
食べないほうがいい理由も、食べたほうがいい理由もきちんとあるのですが、結論から言うと「適量を食べると良い」ということですので、あまり食べ過ぎないよう注意してバランス良く食事するよう心掛けてみてくださいね。
コメント